心が軽くなっていて、いつもより気持ちよく走れた。 今日の部活では、いつも以上にたくさん走ろう。 「こらぁ!!走るのは、放課後だけにしろ~!!」 階段ですれ違った新垣先生が、風のように走る私に怒鳴る。 とても優しい声で。 振り向いた私に、先生は親指を立てた。 私が、あまりにも嬉しそうに泣いていたから、先生はわかったんだね。 新羅と向き合えたこと。 何も話していないのに、急に二人の間の壁が消えたようだった。 あの長田って男子の一言と、新羅の言葉に。