「永松っ、いよいよだなっ」 俺と永松はベンチの隅っこに座って、先輩達の背中を見守った。 「お前、何わくわくしてんだよ」 永松からの冷たいお言葉。 「試合だからだろ?逆に、永松はなんでそんなに冷静なんだよー」 俺とは違い、もしかしたらピッチャーをするかもしれない永松。 「別に冷静じゃない。普通だ」 そう言って試合に目をうつした永松。あぁ、そうか。永松はきっと緊張してるんだ。だけど表に出さないんだ。 緊張するなんて、いい刺激だな。