「荒ちゃん、あたしまだ荒ちゃんの彼女…なんだよね?」


「……うん」


「まだ一応遠距離なんだよね?」


「……うん」


「じゃあ…待ってるから」


俺は力なくしていた相づちを止めた。



「荒ちゃんが少しでも…あたしを信じる心を取り戻してくれたら、あたしに電話してくれる?」



な…んで待っててくれるんだよ。


「…いつになるかわからねーんだぞ?」


「いいよ。あたしの心には荒ちゃんしかいないから」


こんなに冷たく突き放してるのにどうして…。


「あたしをこんな風にさせたのは2年間…あたしに遠距離恋愛をさせた荒ちゃんだからねっ」


麻帆の強がりは見えていた。だけど何も言い返せなくて、


「…ごめん。じゃあまたな」


短く言葉を返して電話を切った。途端にその場で倒れ込んだ。