「あたしは、荒ちゃんと付き合えてよかったよ?だって、荒ちゃんと付き合ってなければ、この寂しさや辛さなんて知らなかったんだから」
ふっと笑って再び口を開く麻帆。
「寂しくないって言ったら嘘になるけど、あたしは信じてるから。いつでも荒ちゃんと繋がってるって……」
俺は麻帆の言葉を聞き終わらないうちに、麻帆を抱き締めていた。麻帆の体が少し震えている気がした。
「これだから……荒ちゃんに会いたくなかったんだよ……」
麻帆が呟いた。
「会ったら……荒ちゃんに、ずっと傍にいてほしくなっちゃうんだから…」
「麻帆……」
俺はさっきより強く麻帆を抱き締めた。


