「私も嬉しいよ。和哉みたいにカッコイイ人と付き合えて」


「そんなことないよ。俺なんかさ。それより結麻みたいな綺麗な人と付き合えて、俺は幸せだよ」


 和哉の顔は真っ赤だった。端整な顔に真っ直ぐな瞳。私はそんな和哉に見とれた。


「そうそう、俺さ、仲良い友達に、結麻と付き合うことになったって自慢しまくったんだ」


「そうなんだ。私は美久に云ったよ」


「そうか。美久は何だって?」


 嫌そうだったとは云えず、私は一呼吸すると簡単に答えた。


「ビックリしたって、驚いてたよ」


「そっかぁ。今西も驚いていたよ。隼人へこむだろうなって云ってた。それに、結麻ちゃん綺麗だから、誰かに取られないようになってさ」


「隼人には云ったの?」


「ああ、そしたら悔しがってたよ。お前に負けたってさ。でもまだ俺も結麻のこと諦められないから、とも云ってた。それに俺の周りはとにかくみんな羨ましがってたよ」


 私はこの時、優越感に浸っていたのかもしれない。そして、この人なら私だけを愛してくれるんじゃないかって思った。信じたかったのかもしれない。

 それは……あんなことがあってから、私は変わってしまっていたのだから……。