交代で歌を歌い、カラオケの時間はあっという間に終わった。

 そして店を出ると、和哉が私に訊いてきた。


「これからどうする? 帰る? それともどこか行く?」


「ん~、帰っても暇だし、河川敷でも行く? 雨止んだし」


 暇だしと云うのは口実に過ぎなかった。本当はもっと和哉のことを知りたいと思い始めていたから。

 丁度雨も止んで、河川敷は地元のデートスポットでもあるし、特に夜は静かで私の気に入っている場所でもあるからだ。


「そうだね。行こうか」


 こうして和哉と肩を並べて河川敷まで歩いた。
 カラオケ店から河川敷まで、そんなに遠くない。