考えあぐねていると、土偶が説明を始めた。


「里中には、仲の良かった親戚の叔父さんとかいなかった?」


「親戚の叔父さん? あっ! いるよ。正確にはいた……かな」


 確かに、仲の良かった親戚の叔父さんはいた。近くに住んでいた遠い親戚の叔父さん。俺が小学校低学年の時に、事故で死んだけれども、生きてる時は本当に可愛がってくれたっけ。もしかしたら叔父さんは、俺に会いに来ていたってことかもしれないな。

 そんなふうに考えると、俺は温かい気持ちになった。


「その叔父さん、里中がよほど可愛かったんだね」


 ふいに、土偶がそう云うので、俺はそうかもねと答えようとした。けれども、土偶の話しには続きがあるようだった。







「――その叔父さん、里中を連れて行こうとしてたよ……あの世に」



 その瞬間、俺の身体が凍りついたのは云うまでもない。