夢を与える。与えられる。 私はそのどちらにも属さない。 ふと教会の椅子にかけた瞬間、そう思った。教会の椅子だけが知っている、心地よいぬくもり。 木から伝わる、独特の暖かさ。 毎日、からっぽの私を満たしてくれる。 『願わくば――――――』 というセリフを何度吐いただろう。 理想を語り、また一つ重荷が体にのしかかる。 ≪だいせんそう≫と口を尖らせるたびに、私はどんどん私らしくなってしまう。 両手を合わせ、今日も、「願わくば」と唱える。どうか、どうにか、