「ちょっと待て。すぐ終わるから」


「へいへい……」


猿山は、ヘロヘロしながらオレの横に戻った。




カタカタカタ……。



再び、オレはPCの打ち込み作業に戻った。




「こう言うのはな、ちゃんとキッカケがないと……」




カタッ!!




「行けねぇモンなんだ。分かるか?」



入力を終えたオレは、猿山の方を振り返った。




「全然分からね。何だそれ?」



猿山は、キョトンとした顔で答えた。




「あ……」


「どうした?」


「いや、何でもない」



ふと、思い出す。


確かナツミも、同じ事を言っていた様な気がする。