「トシユキ、昼メシにしようぜ」



同じ営業課の猿山だった。相変わらずのブサ面だ。



「お前、中華は好きか?」


「別に、嫌いじゃないが」


「よし、決まりだ。実はな、ランチタイムに女子が大勢集まる店を見つけちゃってさぁ~♪」


「女子ねぇ……」



お前とは縁の遠いものだろ、と言いかけたが辞めた。



「もしかしたら、ナツミちゃんと会えるかもしぃ~♪ むふっ!! トシユキ、お前も行くよなぁ?」



猿山はグイ、とブサイク満点の顔をオレに近づけてきた。



「ん? ん? どうなんだ? えっ?」



猿山は、完全に調子に乗っている。その勢いでグイグイとオレを押してきた。



「分かったから……離れろっ!!」



ガシャーン!!



苛立ち(いらだち)のあまり、オレは猿山を壁際のロッカーへと突き飛ばした。