映画を見終わった後の帰り道。


ナツミは、まるでゾンビの様な足取りで、街をフラフラと徘徊していた。


ガーン!!



「いったーい!!」


あーあ、思いっきり電柱に頭をぶつけやがった。




「あ……。あ……。あ……」


「もう、外なんだけど…」


「あああああああああああっ!!」



ナツミは、完全に恐怖でうずくってしまった。



そんなナツミを、呆れながら上から見下ろすオレ。



「そんなにホラーが嫌なら、断れよ」


「だ……。だって……」


「だって何?」


「い、石上さんが、せっかく誘ってくれたから」


「はぁ……。そうか」



これで分かった。


コイツ、自分の意志があまり無い女だな。