ふと横目を向けると、ベンチにはウチの会社のOL二人組がいた。
2人は、相も変わらずランチボックスを広げては、キャーキャー騒いでいる。
「これは誰にも言っちゃダメだけど……」
「なになに?」
「総務課にさ、広崎ナツミっているでしょ?」
「あー、あのボーッとした娘」
「あの娘がさ、営業の石上さんと付き合ってるんだってぇー!!」
「えー!! ウッソー!!」
オレは何となく、2人から顔をそむけた。
「あの娘って、結構思いこみが激しいらしいの」
「うんうん」
「何かね、同じ課の人にちょこちょこと恋愛相談してたみたいで、『こんな自分と一緒にいると、相手が不幸になるかも』とか言ってたんだってー」
「えー!? 考えすぎでしょ~!?」
「でっしょー!! 超ネクラだよねぇー、その考え!!」
OLどもの話を聞いているうちに、ナツミが言ったセリフを思い出した。
オレが「本当にキスが好きだよな?」ってからかった時だ。


