♪ピンポンパンポーン
『まもなく、扉が開きます。どうぞ足下にお気をつけの上、ご降車下さい』
観覧車のスピーカーから、無機質なアナウンスが流れる。
おい、ちょっと待ってくれ。
どう言う事なんだ。
全く理解が出来ない。
しかし、声が出ない。
「くっ……」
オレは、ナツミの震える肩に手を掛けようとした。
「近寄らないでっっ!!」
バシッ!!
ナツミはオレの手を、思いっきりはね飛ばした。
「もうぅ……。これ以上……。優しくっ……、ヒック、されたらぁ……。あたしぃ……」
「………」
「ツライよぉ……」
ナツミの顔は、涙と鼻水でグチャグチャだった。


