「行ってきまーす」 オレは思案の整理が付かぬまま、営業先へと出発した。 『こう言う時に、外に出てこねぇかな……』 彼女が出てこないかと、チラリと会社の出入り口を見てみる。 「………」 誰も出てこない。 『もういいや。面倒だ』 あきらめの早いオレは、駅の方へと歩き出した。