オレたちは何も会話を交わさぬまま、園内を一周してしまった。
気がつけば柱時計は、もう夜7時30分になろうとしていた。
辺りはライトアップされたイルミネーションに包まれ、園内は若いカップルの姿もちらほらと見える。
「なぁ」
「ん?」
「観覧車に乗らねぇか?」
「うん。いいよ……」
どこか、声が弱々しいナツミ。
ボーッとしていて、オレの話をあまり聞いていない様子だ。
「疲れたか?」
「ううん。そうじゃないよ」
そう言うナツミは、何かを伝えたそうな目をオレに向けてきた。
そう。オレたちが初めて出会った、あの日の様に。
「じゃ、行くぞ」
「うん……」
オレとナツミは、観覧車の乗り場へ向かった。


