オレはナツミと別れ、家に戻った。


ベットに横になり、ふと天井を見上げた。




「……」




今日のナツミの言葉が、頭の中でリフレインする。





『あーあ。早く結婚して、子供が欲しいわぁ』


『結婚ってさ、あたしにとってメチャクチャ憧れなんだぁ』




「……」




部屋の壁の模様を一点に見つめ、オレは少し考えた。




『そこまで言う女の為に、何か出来ないのか……?』





そんな考えが、頭の中をよぎった。




「よし……」




オレは、ある一つの決心をした。



ポケットから煙草を出し、火を付けた。




そして力強く、煙を吐く。




フウーーーッ





「まさかこんな気持ちになるなんて……な」





自分自身の決断に、少し違和感はある。




ナツミとは、その場しのぎで色々ヤッてみたけど、いつもの恋愛とは、何かが違う。




けど、これはナツミの影響によるモノなんだな。きっと。




ほんの少し、そんな気がした。