「あーあ。早く結婚して、子供が欲しいわぁ」
ナツミは、トロンとした目で結婚写真を眺めていた。
「子供、ねぇ」
「結婚ってさ、あたしにとってメチャクチャ憧れなんだぁ」
「ふーん」
オレは、ナツミの結婚話を前のめりで聞く。
「やっぱさ、思い出に残る結婚にしたいじゃない? だからまず、結婚式かなぁ」
「ふんふん」
「最初で最後の結婚式なんだから、壮大にやりたいよね。ハワイとかで!!」
「ハワイ……。何でだ?」
「何か、楽しそうじゃん。ヒューン! ド-ン!! パーン!!! みたいな!」
「はぁ……」
『そりゃお前、花火大会か何かと勘違いしてないか?』
必死に力説するナツミに、オレは心の中で軽くツッコミを入れた。