ガチャッ!
ギィィィィ……
重々しい扉を開き、オレとナツミは部屋へと入った。
ナツミは緊張からか、入り口の近くから一歩も動かない。
「おい、タオル」
オレはバスルームにあったタオルを、ナツミに投げた。
「ありがとう」
ナツミはその場で、自分の顔を強くゴシゴシと拭いた。
もちろん顔は、化粧がくずれてグチャグチャだ。
「ぷふぁ~っ!!」
「……」
「え? 何?」
「いや……」
もう、何も言うまい。ナツミの好きな様にさせてやろう。
オレはとりあえずソファーへと腰掛け、ポケットから煙草を取り出した。
「………」
オレはふと我に返り、煙草をそのまま戻した。
「ナツミさ」
「ん?」
「煙草が嫌いなんだよな、本当は」
「うん。けど、別にいいよ」
「いや……」
「?」
ナツミは、不思議そうにオレを見つめた。
「だから、その……」
「変なの」
「何が?」
「変だよ。トシユキがあたしに気を使うなんて」
確かに。何故だろうか?


