オレの破裂と15分前



「はぁぁぁ……。全部やり直しだぁ」



彼女は弱々しい手つきで、再びキーボードをカタカタと叩き始めた。



「あの」


「えっ……。キャーッ!!」


ズデーン!!


彼女は驚きのあまり、椅子から転げ落ちた。



ざわっ……



フロア中の視線が、一斉にこちらに集まる。あーあ、恥ずかしいったらありゃしない。


「いててて……」


彼女は腰に手をあてながら、ゆっくりと自分の席に座り直した。



「あ、あの、何時からそこにいらっしゃったんですか?」


「さっきから、ずっといたけど」


「そ、そうなんですか。ゴメンなさい。あたし集中しちゃうと、周りが何も見えなく★☆▲□●…」



「え?」


彼女の声はとても細く、最後は何を言ってるのか分からなかった。



「あ、あの!」



彼女は突然、ガバッ! と慌てた様子で椅子から立ち上がり、



「ほ、本当に、申し訳ございませんでした……」



オレに深々と頭を下げ、丁寧なお詫びをした。いや別に、そこまでせんでもいーのだが。