「誰に電話してるの?」 「えっ!?」 後ろを振り返ると、折りたたみ傘を差したナツミがいた。 「お前、どうしてここに……」 「駅に戻る途中、女の人と一緒にいるトシユキを見ちゃったから……」 「……」 何で、何も言い出せないんだオレ。 「あの人、誰?」 「高校の頃の先輩。死ぬほど高い寿司をおごらされた」 「ふーん……」 ナツミの目は、とても寂しげだ。 「お前が心配する様な人じゃねーよ」 「そっか……」 こう言っても、ナツミの表情は変わらない。 お互いまるで信用がない、って事か。