森本先輩は、再び寿司に箸を伸ばした。
「彼女は彼女なりに、自分の気持ちを伝えてるよ。それを無視してるのは、キミの方じゃない?」
「………」
オレは、何も言い返せなかった。
「さーて……。ラストはこれっ!」
森本先輩はウニを、思いっきり口の中でほうばった。
「うんんんんっ~!! はいほう~!!!(最高)」
口の中をモグモグとさせ、とてもご満悦な表情だ。
ゴク……ゴク……ゴク……
そして、お茶をゆっくりと飲み干した。
「彼女の事、ちゃんと見てあげなよ。そうしないと、お互い不幸になっちゃうよ」
「はい……」
先輩の言う事は、もっともだ。
オレは……。
ナツミの言葉も、姿も、心もちゃんと見ていなかった。
今になって、偉そうに息巻いていた自分がもの凄く、恥ずかしく思えた。


