私がいなくなって、恭平さんはどう思うだろう。 ……少しは悲しんだりするのかな? ふと、抱きしめられたときのことを思い出した。 あんな風に、国枝杏奈を抱きしめることもあるのかな…… 「あー…」 考えただけで、目頭がじんわりと熱をもつ。 やめよう、やめよう。 頭をふるふると振り、想像を消し去ろうとしていたときだった。 「………栞奈、ちゃん?」 .