七原栞奈、17歳。 高校へ進まず、バイトの掛け持ちでなんとか生きている。 親はいない。 顔も知らない。 友達もいない。 人付き合いは苦手。 …というより、面倒だった。 愛想良くしててもしてなくても、生い立ちがハンデになっている。 だったらこちらから媚びを売る義理はない。 こんな調子だから、私に近寄ってくる人はいなかった。 .