「ラディアン!ジェイク!フィオーレが!!」
家に戻ったナーベルは、大声でラディアンとジェイクの助けを求めた。
剣の稽古をしていた二人は、ナーベルのただごとならぬ声に剣を放り出し、ナーベルのもとへ急いだ。
見れば、フィオーレがナーベルの肩にもたれてぐったりとしている。
ジェイクは急いでフィオーレを抱き抱え、自分の部屋へ連れていった。
「どうしよう。私のせいよ。私がもっと早くフィオーレの異変に気づいていれば……」
心配で顔を歪ませて震えるナーベルを、ラディアンはそっと抱きしめた。
「ナーベルのせいじゃない。これは仕方のないことなんだ」
ラディアンはナーベルを落ち着かせるように言うと、ナーベルは顔を上げ、ラディアンを見つめる。
諭すようにラディアンが続けた。
「フィオーレは花の精霊だ。花は冬が近づくにつれ枯れてしまう。必然的にフィオーレはあまり動くことができなくなってしまうんだよ」