花の魔女






ラディアンは、背中に走るピリピリとした痛みに顔を歪め、目を開けた。

若い男がラディアンを覗き込んでおり、彼はホッと息をついた。


「ラディアン様…、具合はどうですか?」


心配そうに尋ねてくる彼の顔には見覚えがあった。

母であるアナベラお気に入りの月の精霊、ルッツだ。


ラディアンは体を起こし、調子を確かめた。

ひどい傷を負ったような気がするのに、少し背中に痛みが走るだけで特に不便はない。


「ルッツが手当をしてくれたのか」


「傷を癒すのは、得意分野ですので」


にっこり微笑んだルッツの後ろから、ひょこっと女が顔を出した。

彼女は申し訳なさそうな顔をしてラディアンを見ている。


確か彼女は…ドロシー。


思い当たったところで、ドロシーはラディアンにごめんなさい、と謝ってきた。


「振り回してしまって、本当にごめんなさいね。こんなことになるなんて…」