「―――は…?」
「別に、覚えててくれなくても…」
な、何言ってるのよ私!こんなことが言いたいんじゃ……
「たち…ばな?」
「どうせ今から、片桐くんはデートなんでしょ!?彼女さんを待たせたらダメだよ!!」
そう言って、片桐くんの背中をグイグイと押す。
片桐くんは意味が分からないと言うような顔をしているが、そんなことを気にする余裕は今はない。
「おい、橘―――!!」
片桐くんは両肩をガッと掴み、「落ち着けよ!!」と大きな声で言った。
「橘、何を言ってるんだ?彼女とか、デートとか…」
「………私、見たんだ。商店街の新しくできたお店に、片桐くんと美人な女の人が一緒にいるところ」
「は―――!?」
片桐くんは驚いたように、私の顔をジッと見た。
ああ、やっぱり―――…



