「………やっぱりお前は…」

「え?なに??」

「いや、何でもない」


片桐くんはそう言ってから、地面に置いていた鞄を持ち上げた。

そのまま私に背を向け、徐々に遠ざかっていく。


「じゃあな、橘」

「う、うん!えーと、片桐くん!!良かったら、またパーティーしてもいい!?」


私がそう言うと、片桐くんは顔だけを私に向けた。

そして私の顔を一時ジッと見た後……


「………今度は、俺も手伝ってやるから。一人で無理すんなよ」

「………片桐くん」


そう言って片桐くんは、右手を上げて軽く手を振った。

私も袖を持って、ブンブンと右手を振る。


今日は失敗ばっかだったけど、私にとってはとっても素敵な時間だったよ。


「やっぱり大好き、片桐くん!!」