「………はあ」

「ふふふー♪」


片桐くんは眉間を押さえて重苦しいため息をつくが、そんなの私はお構いなしだ。

そして剣道場の真ん中で、「片桐くん好きー!」を連呼する。


「あー、もうみんな帰っていいぞ。こんな奴ほっとけ」


片桐くんがそう言ったら、他の剣道部員達はゾロゾロと帰って行く。

そして片桐くんも帰って行こうと―――…


「って片桐くん!?」

「じゃーな橘。明日は絶対にここには来るなよ」