凄い剣幕で奥の方からやってきたこの人、片桐 巧(カタギリ タクミ)くん。

私の愛しのダーリンです!!


「もう、片桐くん照れなくてもいいのに〜!」

「照れるわけがないだろ!!剣道部が終わるたびにやってくるのはやめろっ!!まず俺たちは付き合ってもないだろう!?」


そう言って片桐くんは、清潔感ある黒い短髪の髪をガッとかきあげた。

背はスラッとした長身で、袴姿が凄く似合う。


「………片桐くん、今日も格好いい」

「うっとりした目で言うな!!寒気がする…」


片桐くんは少し青い顔をして、私からバッと顔を背けた。