ミサキさんはそう言って、ニヤニヤしながら私を見つめる。


「で、どうするの美羽ちゃん??」

「どうするのって…もちろん、断らせていただきます!私が好きなのは片桐くんですし……」

「ふ〜ん…」


ミサキさんは特に興味もなさそうに、けれどもまだニヤニヤしながら、腕を組んで高遠くんが行った廊下を見つめている。


「あ、あの…そのニヤニヤはいったい…?」

「ん?ああ…あの高遠っていう子。私知ってるんだー」

「え、そうなんですか!?」

「ふふ、教えてあげようか?」


ミサキさんはそう言ってから、私に淡々と高遠くんのことを話してくれた。


高遠 りょう(タカトウ)

私の後輩の一年生。

やっぱり私の思った通り、一年生の間…というか二、三年にもモテモテ。

そして―――…