「す、好き?誰が??」

「僕が、橘先輩を好きなんです!本当に大好きなんです!!」


その男の子は、私たち以外誰もいないからかそう大声で叫びまくる。

襟章に書いてある模様から、一年生だと言うことが分かる。

私の一つ下だ。


「え?で、でも私…あなたとどこかで会ったこと…」


その男の子は清潔感ある黒髪で、りんとしていて…格好いい。

普通の人よりはかなり…いやずば抜けて格好いい。

この子、きっと凄くモテるんだろうなぁ…


「いえ、僕がたまたま先輩を見かけただけで…話したりしたことはありません」

「じゃあ、名前とかは…」

「あ、それはまあ、僕の頑張りと言うことで…」


恥ずかしそうに、その男の子は笑った。