ガリガリと爪を立てて、片桐くんは必死にプリクラを剥ごうとする。


「や、やだよ止めて!!ねえ、片桐くん…お願いだからぁ…っ」

「涙目で見たって、これだけは―――…」

「うう〜、でもぉ…でもお!!」


片桐くんの袖を掴んで、クイクイッと引っ張った。

そしたら片桐くんは「うっ」と声を詰まらせて、私をジトーッと見た。


「〜〜〜〜つっ、絶対に他の奴には見せるなよ」

「うんっ!!」


わーい!片桐くんからお許しが出たよお!!


「あ、巧に美羽ちゃんじゃない!朝から仲良く登校??」

「あ、ミサキさん!見て下さいこれ、片桐くんとプリクラ撮ったんですう!!」

「おい、橘あああっ!!」