ピタリと、片桐くんは停止した。

そしてジッと、プリクラが貼ってある携帯を見ている。

本当に見ている。見てい…


「なに貼ってんだ馬鹿っ!?」

「ああ!!」


片桐くんは私の携帯を取り上げて、私が届かない高さまで携帯を上げた。


「か、返してよ片桐く〜ん!!」

「今すぐ剥がせ!!いや、今すぐ剥がすっ!!」


片桐くんはそう言って、私の携帯からそのプリクラを剥ごうとする。

い、いやあああああ!!!



「だめだめだめ!!返してよ、ねえ!!片桐くん!!!」

「っち、剥がれない…」