「試合、負けたんだよ」
「え―――…」
片桐くんは顔を俯かせて、拳をギュッと握り締めてそう言った。
試合に……負けた?
「だから…次は負けられないんだよ。剣道部主将として」
「……だから、夜遅くまで練習してたの?」
「……まあ、そんなところだ」
「馬鹿らしいだろ?」と片桐くんは言って、苦い表情で笑顔を見せる。
「……馬鹿らしいなんて、これっぽっちも思わないよ?」
「橘…?」
片桐くんは不思議そうに、私の顔を見た。
「馬鹿らしくなんてない。片桐くんは片桐くんなりに頑張っただけなんだもん。馬鹿らしいなんて言う人、絶対にいないよ!!」



