私、片桐くんの家飛び出す時、鞄持ってくるの忘れてたんだ…。 「……じゃあな」 「ふぇ!?」 片桐くんは本当にそれだけの用事だったらしく、そう言って私に背を向けた。 そうだよね…私のためなんかに、追いかけてくれるわけ…… 「………つっ…」 「………」 泣くのを必死にこらえる私を、片桐くんはまじまじと見つめている。 「………この前」 「……片桐くん?」 片桐くんは何を思ったのか、いきなり私に向かって話し出した。