14怪談

焼け落ちた天井の木材がいくつも落ちてくる。不思議と直子と僕らの周りを避けるように崩れ落ちていった。

なんだろう・・・。もうすぐ死ぬのに気持ちが落ち着き過ぎている。
安心に近い感情を抱いているのはどうしてだろう・・。


「直子さん、折り入って頼みがある。僕は死んでもいい。でもこの赤ん坊だけは助けてくれないか?」

直子の顔に陰りが見えた。


「それは・・・・」

言葉を紡ぐことを躊躇う直子に構わず僕は続けた。

「僕がアパートから出ようとした時さ、直子さんは僕の肩を掴んで引き止めたよね。つまり、君は人間に触れることが出来るんだ。だから君なら・・・この子を助けることが出来る。・・・頼む」



直子はブンブンと首を振った。


「駄目・・・駄目だよ。それは」