――ドンっ。 直也先輩に見惚れていたら、突然、背中に衝撃が走った。 直也先輩見つめを妨害されたあたしは、若干怪訝な顔で後ろを振り返る。 振り返った先に立っていた人物。 それは、 王子様スマイルを見せている、 アイツだった。 「あ、ごめん。そこにいるの気づかなくって…、ぶつかってしまいました。」 アイツはわざとらしく眉を下げて、申し訳なさそうな顔をした。 嘘付けぇ!! あたしは心の中で叫ぶ。 絶対、確信犯だろ!!