「言えよ。」 グイッとアイツがあたしとの距離を縮めてくる。 そして至近距離で目があった。 …まただ。 この目、一度捕まると逃げられなくなる。 あたしは、いつもアイツに捕まるんだ。 「…言えないわけ??」 『言えないんじゃなくて、言わないの!!』 「ふーん」 アイツがまた意味あり気に笑う。 …なんだか、ここで視線を逸らしたら負けな気がする。 アイツには負けたくないあたしは、負けじにアイツを睨み返した。