あたしは返事の代わりに、ニコッと笑った。 でもやっぱり、沙希には力なく見えたのかもしれない。 沙希は不安そうな表情をしていた。 「だったらいいんだけど…。私にできることがあったら言ってね??」 なんて、イイ子なんだろう。 アイツとは、月とすっぽんの差だよ…。 「きゃーー!!」 どこからか、女の子たちの悲鳴が上がった。 あたしは、またアイツが女でも口説いたのかと、アイツの方を怪訝な目でみる。