…―「舞…好きだよ。」 『あたしも』――…。 思いが通じ合ったあの学園祭から、 早一年。 『行ってきます!』 あたしは勢い良く扉を開け放した。 家の中から、お母さんの「もっと静かに閉めなさい!」なんて声が聞こえたけど、ムシムシ。 今はそんなの気にしてる場合じゃないんだ。 『えっと、待ち合わせ場所どこだっけ…??』 チラッと昨日のアイツとのやり取りを確認する。 〈あの時の喫茶店前集合〉、かぁ。 よし!!急がなくちゃ。