「舞。」

『……。』

「好きだよ。」



めんどくさそうに言ったアイツと目が合う。


その瞳は、やる気がなさそうなんだけど、どこか優しさがあった。



『…うん。』



『あたしも』、そう言いたかったけど、やっぱり恥ずかしいから。


今は言わない。




たくさんの視線に浴びられながら、あたしは手を繋いだ。


そして、教室へと歩き進めたのだった。