「じゃーな。」 アイツはそう言いつつも、あたしの髪を撫でる手を離さない。 アイツを撫でる髪が、 なんだかあたしに「好きだよ」って言ってるみたいで。 胸がキュンキュンする。 …そういえば。 あたし、今日、アイツに『好き』って言ってない。 アイツはあたしに、ありったけの愛情を注いでくれてるのに。 「好き」って言ってくれたのに。 あたしだけ言わないのはどうかと思う。