呆れたように、
めんどくさそうに、

だけど、どこか優しく呟く言葉に引き寄せられるように、

あたしは顔をあげる。


すると、至近距離で目があった。




『…だって、いなくなってやっと気づいたんだもん。』

「うん。」

『陵が好きだって。』

「うん。」

『ねぇ、陵。』

「うん??」

『もう、こんなことしないで。』


絶対、しないで。


あたし以外の人と学園祭回ったりしないで。



「…わかってるって。」


そう言ってアイツは呆れたように笑った。