『今、思ったんだけどさー。』 体育館の裏のベンチ。 あたしたちは、あれから2人で花火を見ていた。 『春ちゃんはどうしたわけ??』 さっきはそこまで考える余裕なかったけど…。 今考えてみると変。 だってアイツは春ちゃんと回ってたわけでしょ?? なのに…、なんで春ちゃんが隣にいないの?? 「あー。」 アイツは言葉を濁す。 そんなアイツの横顔を、あたしはジッと見つめた。 「…置いてきた。」