空に花火が花を咲かす。


そんななか、あたしは必死に走った。



早く、早く、


アイツに会いたくて。



そんなに早くない足を必死に動かしたんだ。





―――――――…
――――――…
―――――…



『…疲れた。』



人気のないベンチに腰を下ろしながら、ボソッと呟く。



――会えなかった。



運命は皮肉だ。


どうでもいい時には、すぐにアイツと会えるのに、


会いたい時は絶対会えないんだもん。