「もうそろそろ、始まるね。」

『そうですね。』


チラッと時計を確認する。


もう、5分がたとうとしていた。



そんな風に思っていたら、ナイスなタイミングで再びアナウンスが流れる。



〈花火が打ちあがります。〉



…いよいよなんだ。


そんなこと思いながら、再び空を見上げようとした、

その時だった。



――ぐいっ


腕を引っ張られた。



『…先輩??』


腕を引っ張ったのは先輩。


先輩はいつになく真剣な表情をしていた。