「やっと見つけた。」 人通りの少ない体育館裏。 花火が始まる少し前。 あたしを見つけ出してくれたのは、 直也先輩だった。 「突然、走ってどこかへ消えていくから、心配したよ。」 『…すいません。』 先輩には申し訳なさでいっぱいだった。 自分でも、どうしてあんなことしたのかわからない。 激しく自己嫌悪。 先輩は少し髪を乱していて、あたしをめいいっぱい探してくれたのがわかる。 そんな姿をみて、申し訳なさが倍増した。