あたしはただひたすら走った。


ただただ、無我夢中に。




――心の整理がつかないあたしは、忘れていたんだ。



先輩の存在に。



先輩がどんな心情で、あたしとアイツを見ていたか。



この時のあたしは知るはずもなかった――。