「おい。」 アイツの不機嫌な声が耳に響く。 あたしは徹底的に無視を心がけた。 アイツなんかキライ。 顔も見たくないんだからっ。 「なんで、無視するわけ?」 そんなの自分で考えてよっ。 ボケ。 「いい加減にしろよ。昨日から何を怒ってるわけ??」 不意に右腕を掴まれる。 右腕から伝わるアイツの体温が、限りなくイヤだった。 「キスがイヤだったわけ?」 ため息をつきながら、アイツはそう吐き捨てた。 ため息をつきたいのは、あたしの方だよ…。