「大変なの!!」
血相を変えながら話す君島。
この様子だと、急いで俺の所に来たに違いない。
何か緊急な用事があるのだろう。
俺は静かに耳を傾けた。
『舞ちゃんが、怖そうな先輩の集団に連れていかれちゃった!!』
勝手に、体が動いていた。
気づいたら走り出していた。
「どこに連れていかれたかわかるか??」
『多分…体育館裏!!』
「サンキュー」
言葉遣いとか、
今はどうでもよかった。
こんなキャラじゃないけど、
必死に走った。
全てはアイツを、
舞を
守るため――
―――――――…。
――――――…。
―――――…。

